2017/06/12

理想の夫、理想の妻

「ただいまー!」
マンションのドアを開けると、「おかえりー!」という声と共に、夕飯のいい匂いが漂ってきた。
あっ、今日はビーフシチューかしら。靴を脱ぎながら、うきうきしている自分がいる。

「どうだったー?ランチ楽しかった?」
そういいながら、右手にお玉を持ち、鍋をかき混ぜている夫の姿は、なかなか様になっている。
「うん、楽しかったよー。スカイツリー見ながらランチしたのー。みてみて。」
と、今日撮った写真を見せる。「おっ、すごっ。なにこれ、リッチだねー。俺なんて昼、カップラーメンだよ。」
話しながらもお玉を持つ右手は止まらない。やっぱりビーフシチューだ。
「ごめんねー。あっ、お土産買ってきたんだよー。」
「えっ、なになにー。」

そんなことを話しながら部屋のなかを見回すと、リビングには溜まった洗濯物が畳まれていた。掃除もしてくれたのか、部屋は整えられている。
「洗濯物ありがと~たくさんあったでしょ?それに、掃除もしてくれたの?」
「トイレもお風呂もやったよー。」
「えっ、すごいじゃん。どうしたの??」
「たまにはねー。いつもなっちゃんにやってもらってるし…あっ、もうすぐできるから、手洗っておいでー。」
ぴかぴかに磨かれた洗面台の鏡で自分の顔を見ると、いまにも泣きそうな自分がいた。

手を洗って、夫特性のビーフシチューを食べよう。きれいに整えられた部屋で、毎週楽しみにしているドラマを見ながら、ふたりで笑いあいながら。デザートにキルフェボンのケーキもある。
あーこれ以上の幸せがあるだろうか。
また明日から一週間がんばれそう。いや、がんばらなきゃいけないなー。




っていうのが、以上、理想の休日(たまにの友人とのランチ、帰宅後、夫在宅のパターン)でした。
現実は、それはもう、・・・いや、ご想像にお任せします。なんか書いたら、パンドラの箱あけるみたいに、恐ろしいことになりそうなので(笑)
まあ、わたしもわたしで、理想の妻とはだいぶかけ離れているから、あんまり人のこと言えませんけど。すんません。
それに、こうやって住む家があって、ご飯が美味しく食べれて、テレビ見てふたりでゲラゲラ笑っていられるだけでも、じゅうぶん幸せなんだと思います。ときどき友達とランチにも行けるんだし、自分の好きなこともできている。どれも当たり前のことと思っていたけど、これはもう理想中の理想なのかもしれない。

有り難いことだと、肝に銘じなさいよ、自分。
感謝の気持ちを忘れずに、労りの気持ちを忘れずに、
家事に仕事に、がんばりなさいよ。
理想の妻になれるよう…

って、言うは易く行うは難し、まさにこれ!

まだまだ先は長い、はず。
細ーく、でも、長ーく、やっていかないとなあ。

natsukinoki

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